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2020/01/27

ワット・ウィハーントーン Wat Wihan Thong, Phitsanulok - プラ・アッタロットを祀る寺院

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Chan Royal Palace Historical Center を挟んで Chan Palace の南側にワット・ウィハーントーンはあります。ピッサヌロークでは遺跡を含む現役寺院が多いのですが、この辺りは遺跡だけが残っています。町の中心がナーン川の東側だったので、西側の Chan Palace 付近一帯は近年になるまで忘れ去られて遺跡だけが残っているのです。

建立された時期は正確にはわかっておらず、案内板には建築様式などから考えて14世紀から15世紀と記されているだけです。14世紀とするなら、建立したのはスコータイ王国の都をソーンクウェー(Song Khwae, 現ピッサヌローク)に移した リタイ王(1347 - 1368)でしょう。彼は1362年から7年間、ソーンクウェーに滞在していたので、その間に造ったのではないかと思われます。15世紀説をとるならば、1463年にアユタヤ王国の都を一時的にピッサヌロークに移した第8代トロイローカナート王(Borommatrailokkanat, 1448 - 1488)の時代かもしれません。

Chan Palace はリタイ王が造ったとする説が強いので、ワット・ウィハーントーンも同時期に王宮寺院として建立されたと考えるのが自然です。しかし、Chan Palaceの建設がトロイローカナート王の手によるとするならばワット・ウィハーントーンも15世紀に建立されたと考えられます。ただ、礼拝堂に祀られていたプラ・アッタロット仏立像はスコータイ王朝時代に鋳造されたと考えられているので、リタイ王の時代から100年も経っているのは説明が難しい。

Wat Wihan Thong の Wihan は礼拝堂、Thong は黄金を意味します。直訳すると黄金の礼拝堂の寺院になります。ブロンズの仏立像は黄金色に輝いていたと思われるので、それを祀る礼拝堂がある寺院と言う事でしょう。同名の寺院はスコータイやアユタヤなど各地にあります。

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さて、ワット・ウィハーントーンで最も有名なのは、ワット・プラシーラッタナマハタートにあるようなプラ・アッタロット仏立像です。つなぎ合わせること無く鋳造されたブロンズ像の高さは10mにも及ぶそうで、当時としては最大級の仏像だったと思われます。現在その姿はワット・サケートで見ることができます。ちなみに、この仏立像の正式名称は Phra Attharot Srisukot Thossaphonyabophit と言うそうです。ワット・プラシーラッタナマハタートの物とは異なります。

入口から入ると、まず目に付くのが礼拝堂跡と巨大なプラ・アッタロット仏立像です。実はこれ、2013年に造られた物で、背中側は鉄骨でガッチリ固定されています。この大きな仏像が祀られていた礼拝堂なので相当大きな建物であったのだろうと想像できます。

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そして、寺院の象徴とも言える大きな仏塔・・・跡。

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ここにはワット・プラシーラッタナマハタートでも見られるトウモロコシ型をしたクメール様式の立派な仏塔があったと考えられています。Chan Royal Palace Historical Center にその想像図がありました。

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そして、礼拝堂と並ぶように建てられていた本堂。入口は東側を向いています。

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スコータイ歴史公園を見て回った後なので、規模的には目新しさを感じられませんでしたが、特筆すべきは柱の太さです。明らかに、スコータイ歴史公園にあった寺院遺跡のものよりも太いと思います。つまり、建築技術が進歩してより大きな建物が建てられていたのだろうと思われました。

Chan Royal Palace Historical Center にあった寺院全体像の模型です。こじんまりとした敷地内に仏塔 Prang、礼拝堂 Viharn、本堂 Ubosot、そして東屋 Sala が整然と配置されていたのがわかります。

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ワット・ウィハーントーンの直ぐ億には別の寺院遺跡もあります。同時期かそれ以前に建立された物だと言われています。Chan Palace を含め、この辺りはまだ発掘調査と復元が進められているので数年後には様子が変わっているかもしれません。




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