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2019/06/20

【門司港散策】旧大連航路上屋(門司税関1号上屋)

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横浜、神戸とともに日本有数の港として賑わってた門司港。1929年(昭和4年)に大陸間航路の拠点施設として建設されたのが「門司税関1号上屋」です。2階建ての旅客ターミナル部分と平屋建ての倉庫からなります。当時は、大連や欧州を結ぶ約40航路(約180便/月)が就航する国際旅客ターミナルでした。中でも大連航路は便数が一番多かったことから、いつしか「大連航路上屋」と呼ばれるようになったそうです。

第二次世界大戦、そしてその後の産業構造の変化は門司港の運命を変えました。1950年(昭和25年)朝鮮戦争が勃発したときに「大連航路上屋」はアメリカ軍により接収され、1972年(昭和47年)までの22年間もの間、アメリカ軍の所有となっていたのです。その間は港湾施設として自由に使うことができず、門司港の港としての機能は制限され海外貿易にも支障がありました。返還後は門司税関の仮庁舎や公共上屋(倉庫)として2008年(平成20年)まで利用されていました。

当時の門司港西海岸の岸壁は「大連航路上屋」の直ぐ目の前です。それを示すのが道路脇に残る係船柱です。当時のまま、同じ場所に残されています。

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こちらの写真は現地の案内板に載っていた写真です。建物の直ぐ前は岸壁で、係船柱も見られます。

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建物の設計は国会議事堂や横浜税関などを手がけた著名な官庁建築家・大熊喜邦が担当し、幾何学模様を取り入れたアール・デコのデザインを特徴としています。正面ファサードにはチケット売り場と思われるブースが設けられています。

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 内部に入ってすぐ右側には大階段があり、出国検査を済ませた旅客は2階へ上がれる構造です。アール・デコ風の階段親柱や採光上の工夫が航海に出る前の期待感を盛り上げていたことでしょう。

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2階に上がると開放的な長い廊下があります。屋内には休憩所もあって、のんびりするには最高の場所です。ここから眺める門司港・関門橋の景色は絵になります。

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旧大連航路上屋の整備事業が始まったのは2006年(平成18年)からで、2013年7月にオープンしました。当時をしのぶ空間構成や意匠を残し、上屋や門司港にまつわる貴重な資料が展示されています。

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旧大連航路上屋前の岸壁埋め立て工事が着工したのは1984年(昭和59年)です。1989年(平成元年)には門司港開港100年を迎え、わたせせいぞうさん(高校まで小倉在住)によるイラストが上屋壁面に描かれました。この写真は2009年に撮影したものです。(現在はありません)

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埋め立て地には2003年4月開館の「関門海峡ミュージアム(海峡ドラマシップ)」があります。旧大連航路上屋前という場所からして、大陸航路の大型船をイメージして作られたのは明らかです。2018年4月より改修工事のため閉館していますが、2019年9月21日にリニューアル・オープンする予定です。関門海峡の歴史を紹介する展示など、再開が楽しみです。

2009年に上屋全体を撮った写真がありました。税関に近い方から1号2号3号上屋と続きます。旧大連航路上屋として整備されているのは1号上屋です。

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こちらの写真は2019年にレトロ展望台より撮影したものです。税関、旧大連航路上屋、海峡ドラマシップなどの位置関係が良くわかります。この日は良く晴れていたので、小倉の町並みだけでなく遠く皿倉山まで見えています。

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この場所は、石炭貿易の最盛期に積み出し埠頭として使われていた場所です。1904年(明治37年)に若松港が開港してから石炭の輸出額は減少していき、新たな産業に関わる物資にシフトしていきました。「門司税関100年の歴史(2009年)」には次のような記載があります。

大正 8 年(1919)から始まった門司港の西海岸修築工事は、昭和 6 年(1931)9 月によう やく完了した。これにより1万トン級の貨物船 7 隻が係留できる西海岸外貿埠頭が完成し、 昭和 7 年(1932)には大連航路の定期船が就航した。また、陸上施設の整備も進み、上屋、 鉄道、起重機などの設備を備えた近代的な貿易港となった(門司港修築第 1 期工事)。


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