【門司港散策】九州鉄道記念館(元九州鉄道本社ビル)
手前の通りは元電車通り。記念館の入口は裏手、門司港駅側にあります。
明治21年8月(1888年)、九州鉄道会社が設立され仮本社が博多に置かれました。当初より本社は門司に置く予定だったそうです。門司に本社ビルが完成したのは3年後、初代門司駅の開業とほぼ同じ時期の1891年で、現在の門司港駅は1914年完成なので、九州鉄道記念館の本館ビルは門司港レトロと呼ばれるこのエリアの中で最も古い建物の一つです。
九州鉄道会社は鉄道国有法により1907年に国有化され、本社は「帝国鉄道庁九州帝国鉄道管理局」となります。その後、1914年に門司駅新駅舎が完成、九州鉄道会社本社は九州鉄道管理局など名称変更を経て、昭和24年、1949年「日本国有鉄道」発足まで九州の鉄道拠点としての機能を果たしてきました。この頃、鉄道管理局は門司港駅横の通称「門鉄ビル」(旧三井物産門司支店ビル)に移ったと思われます。
九州鉄道記念館は2003年に開館しました。本館(旧本社ビル)の他、実物車両の展示場、ミニ鉄道公園からなります。本館には列車のヘッドマークなど数々の貴重な備品が展示されているほか、鉄道模型や運転シミュレーターも設置されています。鉄道ファンなら誰しも見入ってしまいそうな物ばかりです。
館内は建物壁のみを残して昔の姿は全くありません。二階まで吹き抜けで客車模型の展示があり、写真手前方向から階段をあがると鉄道ミニチュア模型や運転シミュレーターがあります。
ファンにとってはお宝とも言えるブルートレインのヘッドマークも展示されています。当時の切符など小物の展示も多数ありました。筆者にとって特急「つばめ」は別格として、「さくら」「あさかぜ」「みずほ」「はやぶさ」は大変なじみ深く懐かしく見入ってしまいました。
車両展示場は本館から一段下った初代門司駅があった付近にあります。0哩標のほか駅のホームを模した場所に蒸気機関車やブルートレイン客車、寝台電車特急などがズラリと並べられています。昔を知るものにとっては大変懐かしくて思わず写真に撮ってしまいたくなるものばかりです。
起点を示す0哩標。現在の門司港駅は右手、左手に列車展示場があります。
1番目手前に展示されているのがこのC-59蒸気機関車。1956年から現在の門司駅に配属され、寝台特急「あさかぜ」などを牽引していました。1962年に熊本に転属され、東京と熊本を結んだ寝台特急「みずほ」を牽引したので、私はそのころブルートレインに夢中になり門司駅近くの線路脇で走る姿を見ていたのだと思います。
ブルートレインの名前の由来は、その名の通り青色の寝台客車だったからです。展示されているのは二代目にあたり、初代はもう少しくすんだ青色をしていたと記憶しています。
1965年に熊本まで全線電化が完成してからは、赤い電気機関車がブルートレインを牽引していました。全てのブルートレインは門司駅でこの機関車に連結換えされたのです。博多までの電化はそれ以前に完成していたので、東京と博多を結んだ寝台特急「あさかぜ」はいち早く赤色電気機関車 ED721 が牽引していたのだと思います。
もう一つ、記憶に鮮明に残っているのが1967年に新大阪と博多を結ぶ寝台電車特急として登場した「月光」です。同じ車両は新大阪と大分を結んだ寝台特急「みどり」と併用されていました。
[余談] 1944年に関門トンネルが上下線とも開通して鉄道拠点の主役は門司港駅から門司駅に移りました。幼い頃、鉄道好きだった筆者は色々な列車を見るために、門司駅近くの線路沿いに良く行ったものです。当時のお目当てはブルートレイン。門司駅では電気機関車の連結換えのため、全ての特急列車が停車していました。1960年代後半になると、電車特急「月光」が登場してから門司駅を通過する列車ができました。門司駅を通過する特急列車の登場にショックを受けましたが、それまでにない斬新なデザインに憧れ、いつかは乗ってみたい・・・と子供心に思った記憶があります。
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