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2018/07/11

4Kテレビでも十分なのに、8Kテレビなんて本当に必要なのか? 大画面テレビと解像度のお話

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既にケーブルテレビやCSで4K映像を視聴している方はいると思いますが、480i 時代の昔のテレビやDVD映像からフルハイビジョン FHD 1080i/p に変わったときほどの感動が無いと感じてる人は多いのではないでしょうか。簡単に言うと、通常の視聴状況において、FHDでも既に人間の目が見分けられる限界に近づいているからです。画面から1m以下の至近距離でテレビを見る人はまず居ないでしょう。普通は2〜3mは離れて見ます。大画面になればなるほど少なくとも2m以上は離れていないと画面全体を見渡すことができません。

人間の目は都合良く出来ていて、視認限界というのがあって、網膜の解像度を超えると物理的な解像度をいくら高くしても同じに見えてしまうのです。iPhone の Retinaディスプレイというのは「網膜解像度を持つディスプレイ」のことで、これ以上画面解像度を上げても意味ありませんよ・・と、Apple さんは言っているのです。スマホ画面の大きさで 4K をうたうものがありますが、明らかにオーバースペックな訳です。多くの画素を制御するにはCPUパワーが必要なので、スマホの4K化は百害あって一理無しと言っても良いのかもしれません。

読書する程度の至近距離での視認限界は300dpi程度と言われています。これは 1インチ(2.54センチメートル)に同じ太さの線を150本等間隔を引いて区別出来る程度の解像度です。これは約85ミクロンになります。虫眼鏡で見ればシャギーがわかるけど、30センチ程度離れて肉眼で見ると綺麗に見えます。ちなみに、iPhone 8 は 326dpi、iPhone 8 plus は401dpiです。スマホを虫眼鏡で見る人は居ないので、これだけの解像度があれば十分すぎるわけです。(iPhone X は 458dpi)

視認限界には物理的な解像度だけでなく距離も関係してきます。低解像度の画像でも離れて見ればシャギーが気にならないわけです。どれくらいが限界かと言うと、視力検査からそのヒントを知ることができます。

視力検査では、ランドルト環視力測定が通常行われています。これは、ざっくり言うと、5m離れた所から1.5mmの隙間を認識できる視力を1としています。視力1相当を視認限界とするならば、iPhone の画面解像度の場合は約25cm離して見たときがそれにあたります。それより近づけると焦点が合わなくなるので現実的な距離だと思います。(視力2の人はこの条件でもシャギーが見えるのかもしれませんが、私にはわからず検証不可。また、視力2の人は1の人の倍の解像度を認識できるわけではありません)

これをテレビに当てはめるとどうなるか、と言うのが本題です。まず、計算した結果から。
4K8K画面解像度_xlsx

この表で一番重要なのは右端の「視力1相当の視認限界」です。これだけの距離を離れて見ると視認限界を超えることを示しています。Mac の Retinaディスプレイでは、iPhone で約25cm, iPad で約30cm, iMacでは約40cmとなり、現実的な距離であることがわかります。

テレビの場合は、FHDテレビでも2〜3m離れて見ると、もはや視認限界を超えてしまいます。65型以上の4Kテレビならわずか1.5m離れて見るだけで視認限界に達します。大型テレビを至近距離から見る人は居ないと思うので、通常の視聴環境なら4K解像度を活かしたたくっきり綺麗な映像を見ることができるわけです。メーカーの取扱説明書にも 2〜3m離れて見てくださいと書かれていますからね。

そして 8K。これはもう家庭用としてはオーバースペック以外無いでしょう。わずか1m離れるだけで画素を区別することができません。Sharpさん、70型の8Kテレビを100万円で売り出すそうですが、私なら迷うことなく80型の4Kテレビを買います。100インチくらいなら多少8Kのメリットはあるのかもしれません。

政府肝いりのプロジェクトだし、何としてでもテレビの買い換え需要を起こそうと様々なプロモーションが行われています。「8Kになると奥行き感が表現される」とか「その場に居るような体験ができる」とか、消費者の興味をそそりそうな言葉が並んでいます。ですが、実際はどうなんでしょうね。まず、ソフトが限られるし、放送用に画質を落とした(ビットレートを落とした)映像では 8Kはおろか4Kでも真価を発揮出来ないのでは無いかと思います。

4月にレコーダーを買い換えることになって Ultra HD Blu-Rayレコーダーを買いました。併せて 4K UHDも。正直言って、Full HD の映像と見比べてみましたが、ほとんど区別できませんでした。なんとかして違いを見つけたくて・・・、30〜50センチ位まで画面に近寄ると、UHDでは看板に書かれた小さな文字がなんとか判読できる!という違いを見つけました。ほんとにどうでも良い話です。


オーディオの世界では「空気感が伝わってくるような自然な音」なんて表現を聞くことありますが、年を重ねた評論家さん達には、きっと聞こえない音まで聞こえてるのではないでしょうか(笑)。映像の世界もどうやらその域に達してきた感じがします。


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