エスカレーターで左に立つか右に立つか エスカレーターの歴史
何故関西では右立ち左空けが主流なのか、その理由をまとめた記事は沢山あります。でも、実は、世界的にみると、東京で主流の左立ちの方がマイナーなのです。だから、何故東京では左立ちになったのかを探る方が意味あるように思います。
エスカレーターはもともと商品名でした。エレベーターと似ていますが、その語源は全く異なるそうです。1900年にパリで行われた万国博覧会に出品されて1等を取ったことで注目を集めました。それから遅れることわずか14年、1914年に上野で開催された東京大正博覧会で日本にも初めて紹介されました。当時は「自動階段」と呼ばれていたようです。(開催日の3月8日は現在でもエスカレーターの日とされています)
世界で初めてエスカレーターが設置されたのはニューヨークの高架鉄道駅だそうです。1900年なのでパリ万博とほぼ同時期です。その後、地下鉄駅にも直ぐに導入されました。別記事で書きましたが、ニューヨーク・メーシーズデパートには木製のエスカレーターがあり現在も動いています。デパートの建設が1902年なので、1900年代のかなり早い時期にエスカレーターが設置されたのではないかと思います。
日本で初めて駅にエスカレーターが設置されたのは1925年に開業した新京阪天神橋駅(現在の阪急天神橋筋六丁目駅)だそうです。東京では1932年の秋葉原駅が最初です。地下鉄駅では1933年に大阪市営地下鉄で導入されたのが最初です。
本来は、自動で動く歩道であったり階段なので、その上を歩く必要はないように思います。ですが、中にはやはり急いでいる人もいるわけで、1944年頃にロンドンの地下鉄で自然発生的に片側空けが生まれ、それがエスカレーターに乗る時のエチケットと考えられるようになりました。
日本で片側空けが始まったのは先進の地である大阪で、大阪万博や梅田駅で右立ち左空けが呼びかけられてからだと言われています。東京ではその逆が定着していますが、そのきっかけは地下鉄千代田線の新御茶ノ水駅に設置された長いエスカレーターだったようです。1989年頃のことなのでわずか30年ほど前なのです。近くに階段がなかったことからエスカレーターは混雑し、急ぐ客もイライラしながら待つしかなかったところ、職員の呼びかけにより左立ち右空けが広まったと言われています。1990年に開業した京葉線東京駅では、乗り場までの長い地下通路の動く歩道で、JRが初めて左立ち右空けの呼びかけを始めています。もしもこの時、右立ちを案内していたら東京でも大阪と同じ右立ちが主流になっていたかもしれません。
何故東京では左立ちなのか。諸説あるようですが、私的最もしっくりいく答えは、「日本では車は左側通行なので、追い越す時は右側から」ということ。大阪の場合は世界標準をそのまま取り入れて案内を始めたからでしょう。
現在は、不均一な劣化による安全性の面から、片側立ちは推奨されていません。駅やデパートのエスカレーター付近では、片側を空けずに二人乗りするようアナウンスされています。混雑解消にもつながると言われるものの、急いでいる時はイライラするのですよね。今のままでは二人乗りは定着しないのではないでしょうか。
理由は簡単、遅いからです。海外に行かれた方は経験していると思いますが、海外のエスカレーターは日本のそれより1.5倍くらい早いです。階段を歩いて登るよりも明らかに早いのです。ですが、日本のエスカレーターは階段を歩いて登った方が早いくらい遅い。
つくばエクスプレス秋葉原駅には高速エスカレーターと普通速エスカレータが並んで設置されています。あれくらい高速なら登らずに立ち止まってもいいかな・・・と思うのですが、ラッシュ時だとみなさんせっせと登っています(笑)。
安全性を考えると高速エスカレーターが良いとも言えないかもしれません。ですが、海外では高速で運用しているので、もう少し早くしてもいいのではないでしょうか。
遅い例は、成田空港のエスカレーターですね。前につっこけそうになるほど遅いです。大きな荷物を持ってるので安全性を考えてのことでしょうが、あの遅さにはイライラさせられます(笑)。
※ 大阪で何故右立ちかの面白い理由として、右にバッグを持つことが多いのでひったくり防止のためというのもありました。それで言うなら東京は、バッグを持っていても手すりを持つことができるよう左立ちになった可能性もありますね。
エスカレーターのどちら側に乗るかは海外でも話題にあることあるらしい。例えばこれ。
大阪は、ロンドン、ベルリン、香港、バンコク、ニューヨークなどと同じで主流派。
東京は、シンガポールとオーストラリアなどと同じで少数派です。
両サイドに乗れば1分あたり25人以上も多くの人を運べて混雑解消につながるとのことですが、同時に、乗る側を定着させるのは何年もかかると書かれています。国民性や文化によるものではなさそう・・・と思いきや、北京や上海では乗る位置はバラバラなんですね。なんとなくわかる気がします。
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