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2018/03/13

ワット・トライミット Wat Traimit 世界最大の黄金仏が発見されるまでの物語

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この寺院の最大の特徴は、ギネスにも登録されている世界最大の黄金の造形物、黄金の仏像です。高さ3メートル、重量は 5.5トンもあります。それを祀るモンドップ Mondop(仏塔)は、金色の屋根(尖塔)を持つ大変豪華なものです。私は1990年代の後半から中華街をたびたび訪問していましたが、当時はタイ寺院にはあまり興味が無かったので全くノーマークでした。ですが、もしも中華街門から金色の尖塔が見えていたら、必ず訪問していたはずです。それもそのはず、モンドップは 2010年に完成したようで、まだ10年も経ってないのです。

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黄金仏の歴史については諸説あるのか、書物やネット上の記事により記述が異なります。だいたい共通しているのは、1953 ~ 1955年に黄金仏が偶然に発見されたということです。その後の調査で、この黄金仏はスコータイ朝時代、約700 ~ 800年前に作られた物で、アユタヤを経て、現王朝のラーマ I世がタイ全土から仏像を集めた際にバンコクに移されたのだそうです。1767年にアユタヤ王朝がビルマに屈した前あたりに、略奪を防ぐために漆喰で表面を覆って質素に装ったと考えられています。その後もしばらくはアユタヤに置かれていて、その間に黄金仏は忘れ去られてしまいました。ラーマ I世が仏像を集めた際、貴重なものはワット・ポーに置かれ、漆喰やブロンズの像はそれ以外の寺院に置かれました。

元々、漆喰で覆われた黄金仏が祀られていたのは、バンコクから少し河口側、ヤンナワ地区の川沿いにあったワット・プラヤクライ Wat Phraya Krai です。ラーマ III世は寺院を改修してワット・チョタナラーム Wat Chotanaram と命名しました。しかし、ラーマ IV世、V世の時代には寺院は修復できないほどに荒廃してしまい廃寺になってしまったのです。

1931年、East Asiatic Company が寺院境内を木材置き場として借り受け、その時に本堂にあった二つの仏像を他の寺院に移すことになりました。一つはブロンズ製の仏像で、もう一つが漆喰で覆われて見かけ上質素な黄金仏だったわけです。ブロンズ仏像は近くの Wat Phai Ngoen Chotanaram に移設され、漆喰仏像は現在のワット・トライミット(当時の名前はワット・サムチーン Wat Samcheen)に移されることになりました。

漆喰仏像はワット・サムチーンの本堂東側にあった古い仏塔の隣に鉄板を敷いて、その上に置かれていました。バンコクでは洪水が頻繁に起きていたので、チャオプラヤ川とクルンカセム運河に挟まれた場所にある寺院はいつも水浸しになってて、そんな時でも漆喰仏像は放置されたままだったそうです。

1939年、本堂の改修にあわせて寺院名が現在の名前ワット・トライミットになりました。その後も仏像は15年間も野ざらしにされたままでしたが、1955年にようやく仏像を祀る為の新しい礼拝堂が完成しました。

1955年5月25日、作業員が仏像を礼拝堂に引き上げる際、漆喰仏像なのに異常に重かったため、ロープが外れて仏像を地面に落としてしまいました。雨の中、作業は中断して翌日、割れて削られた漆喰の奥から黄金に輝く仏像の一部が現れたのです。200年近くも漆喰に覆われたままだった黄金仏が世に現れた瞬間です。

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黄金仏は貴重な文化遺産なだけでなく大変高価なものでしたが、ワット・トライミットでの保管は必ずしも厳重では無かったようです。現在のモンドップができるまでは、すぐ隣にある二階建ての礼拝所の奥に置かれていました。屋根はあるので野ざらしとはいいませんが、時価総額数百億円もする高価な仏像を祀る場所としては危険極まりない場所のように思えます。ですが、5.5トンもある仏像は簡単には動かせないので盗難の危険性は低いと考えたのかもしれませんね。その場所は現在も残っており、小さな仏像とともに、垂れ幕に描かれた黄金仏が壁に飾られています。

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世界的にも有名な黄金仏寺院ですが、観光客が大幅に増加したのは現在のモンドップが完成してからのようです。ネット上で、ワット・トライミットの昔の写真を探してみてもほとんど出てきません。数少ない写真を見ると、今は作り替えられていますが、本堂奥には仏塔と火葬場があったそうです。寺院内には Yaowarat Chinatown Heritage Museum もあるので、次回はゆっくり時間をかけて見学したいと思います。

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