バンコクから消えた二つのターミナル駅(1) - トンブリ駅
トンブリ駅は、1903年6月19日にペッチャブリー駅までの開通に伴い開業しました。当時はバンコク・ノイ駅と呼ばれていて、トンブリ駅に改称されたのは1942年です。第二次大戦中は、日本軍によるビルマへの物資輸送の拠点として戦略的にも重要な駅でした。1927年にはタリンチャンからバンスー駅(チャトチャック公園近く)に抜ける線路が開通していたので、終戦後、トンブリ駅の旅客駅としての重要性は失われました。
完全にかぶってますが、寺院作りの建造物の奥に見えるのが旧トンブリ駅舎(おそらく同じ場所にそのまま残されている)
1999年、昨年亡くなられたプミポン国王の72才の誕生日を記念して、旧トンブリ駅跡地は公園とシリラート病院の駐車場へと再開発が始められました。そして、2003年10月4日に元々のトンブリ駅は廃止されて、西側へ0.87kmの距離にあったバンコク・ノイ駅が新しいトンブリ駅になりました。(紆余曲折あったようですが)。現在、チャオプラヤ・エクスプレスボートのトンブリ駅(ロット・ファイ)船着き場付近は公園になっています。嬉しいことに、時計台が特徴的だった旧トンブリ駅の駅舎はその場に保存されています。公園内には1950年に日本から購入した蒸気機関車も展示されています。
左手奥に見える駅舎とチケット売り場
バンコク・ノイ駅の表示がありました。写真奥がカンチャナブリ方面です。ココを通る列車を見てみたかったのですが、次の列車は2時間後くらいだったので諦めました。
現在のトンブリ駅はというと、一日10本ほどの列車が発着するローカル駅です。駅前には市場があるものの、バス路線からも外れていて “辺鄙な場所” にある駅・・・と言った感じです。列車が来るわけでもないのに駅ホームのベンチでゴロゴロ寝てる人や、日陰で涼んでいるだけの人など、のんびりとした雰囲気が辺りに漂っていました。
昔の写真を見ると、ターミナル駅として繁栄していた頃には大きな操車場もあったようですが、今ではその面影もありません。朽ち果てているというか、放置されている列車の残骸とフェードアウトした線路。もう列車が走らなくなって10年以上経つはずなのに、まだ踏切が残っていました。廃墟マニアかよほどの鉄道ファン以外は行ってみる意味はないでしょう。
駅ホームからチャオプラヤ川方面(旧トンブリ駅方面)と、旧トンブリ駅方面から現トンブリ駅(左奥)操車場(右手)はまだ一部残っていましたが、線路がグニャグニャでとても列車が走れる状態ではなさそうです。
なぜか残されている踏切と線路
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