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2019/02/28

スコータイ歴史公園(13)ワット・サシー Wat Sa Si - リタイ王が眠る寺院

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ワット・サシーはスコータイ城壁内でも最も大きな池、トラパン・トラクアン Traphang Trakuan の中にあります。場所はワット・マハタートの北西に位置します。第38碑文には、この寺院は第6代リタイ王 Phaya Lithai (1347 - 1368) の遺灰を納めるために建立されたとあります。サシーとはスコータイの言葉で「四つの池」を意味します。地図で見ると、寺院は池の真ん中にあるので四つの池がどれなのかわかりません。かつては四つに分かれた池だったのか、それとも四方を囲まれたという意味だったのかは定かでありません。

スコータイは大きな川に面してないので水の確保には苦労してきたようで、至る所に溜め池(タパン Trapang)があります。城壁内には大きなタパンが四つあり(Traphang Ngoen, Traphang Sor, Traphang Thong, and Traphang Sa Si)、それぞれの真ん中には寺院が建てられています。中でもワット・サシーは最も大きくて、仏塔のほかに仏堂、本堂などもあります。

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寺院のある島に渡ってまず最初に目に付くのが美しい立仏像です。スコータイ様式の仏像の象徴とも言える「歩く姿の仏像」です。立仏像には、右手を挙げたもの、両手を挙げたものなどありますが、「歩く姿の仏像 Walking Buddha」は写真のように左手を挙げて右1足のかかとを少し浮かしたものを差します。今にも歩き出しそうなコンポーズ、しなやかな曲線美と相まって大変美しいです。

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大きな仏塔は比較的良く保存されています。その手前には少し小さな仏塔、Walking Buddha の写真の後ろに写っている仏塔があります。大仏塔の前(東側)には礼拝堂、更に東側には小島がありそこにワット・サシーの本堂があります。

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本堂周りには結界石 Sima が残っています。

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小島の東端、本堂の入口側から仏塔方向を見ると、建造物は直線上に並んでいるのがわかります。

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ワット・サシーは池の真ん中に浮かんだような美しい寺院です。ロイクラトンの時期には、この池に沢山の灯籠が浮かべられるのだそうです。スコータイ公園内では土曜日の夜に遺跡のライトアップが行われています。寺院の間近で見るの良いですが、池の対岸のラムカムヘン大王記念碑側から見るワット・サシーも幻想できて美しいと思います。私は平日に行ったのでライトアップはなくて見ていませんが、次回行く機会があれば週末に行こうと考えています。


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2019/02/22

スコータイ歴史公園(12)ワット・シーチュム(3)Wat Si Chum/ Luang Pho Petch, Sukhothai

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前の記事でワット・シーチュムの本堂 Ubosot は堀の南側にあると書きましたが、実はその建物が本堂である確証はありません。ですが、ネットで調べてみると、そこで撮った冒頭の写真と同じ建物がワット・シーチュムの本堂だと記載されている情報がいくつかありました。また、寺院の入口にも Wat Si Chum と書かれた立派な標識がありましたので、間違いは無いと考えています。ガイド本には全く記載されてないこの場所、なんだか興味があります。

寺院の入口にはもう一つ気になる看板が。。。そこには『Diamond Eyes Buddha Image』とあり、文字通りダイアモンドでできた眼を持つ仏像なわけです。その仏像が祀られているのは Luang Pho Petch と呼ばれる小さな寺院/場所です。

ワット・シーチュムの仏堂との位置関係は次の通りで、本堂は仏堂からほぼ真南にあります。建物の周囲を8個の結界石 Sima で囲まれているので本堂であることは間違いありません。

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謎の建物というのがこちら。このような形の仏堂は初めて見ました。数多くの龕が造られていて、その中に小さな仏像が一体ずつ納められています。中央は階段状になっています。

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建物の中に入ることができて、中央に見える階段の左側が入口です。幅はわずか60cm程度しかなくて大変狭いです。内部にも数多くの仏像が納められていました。

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その奥にも更に狭い入口が。40cm位だったと思います。体が大きい人は多分通り抜けできません。そして棟続きになっている奥の建物に続いています。そこは比較的広い空間で数多くの仏像が祀られていました。

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かつては、このセンターに Diamond Eyes Buddha が安置されていたようです、2015年に書かれて記事では確かに古めかしい仏像がそこにありましたが、現在は本堂の方に移されています。

本堂の建物は真新しくて、まだ完成したばかりのようでした。周囲の結界石には汚れ一つ付いてなくて。。その中に祀られているのがこちらの仏像。黒っぽい坐像で緊迫が沢山貼られています。

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シンプルな飾り付けですが、この仏像こそが Diamond Eyes Buddha のようです。元々はダイアモンドが眼にはめ込まれていて、盗難防止のためにガラスに置き換えられ、現在は近くで見てもそのガラスも見えません。仏像自体は 1,000年位前に造られた由緒あるものだそうです。それが事実ならば、スコータイ王朝が始まる前からあったと言うことになります。

狭いスリットのような入口にどのような意味があるのかは知りませんが、ワット・シーチュムの仏堂も同じような形をしています。

この場所もワット・シーチュムだということは次の写真からわかります。

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本堂側から撮った写真ですが、中央下部分に茶色の看板があり、そこに Wat Si Chum と書かれていました。仏堂方面へは、堀にかかった橋を渡って行くことができます(写真右方向)。

ガイドブックには全く取り上げられて無く、Webで検索してもほとんど情報は得られません。多分、マイナーで不思議な場所ですが、ワット・シーチュムに行くなら寄らない手はありません。


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2019/02/20

スコータイ歴史公園(11)ワット・シーチュム(2) Wat Si Chum, Sukhothai

前記事からのつづき
スコータイ歴史公園(10)ワット・シーチュム(1) Wat Si Chum, Sukhothai

【仏堂の二重壁の間にある謎の階段とトンネル】
Wikipedia によると、ワット・シーチュムはスコータイ王朝第7代国王サイルータイ Sailuethai (1368 - 1399年、Phra Mahathammaracha II ) が14世紀末に建立したと書かれていますが、1292年に作成されたとされるラムカムヘン大王碑文にはワット・シーチュムにあるアチャナ仏像のことが記載されているそうです。アチャナ仏像だけはラムカムヘン大王の時代からあったとも考えられますが、約100年も時代が異なるので少々理解に苦しむところです。

現地の掲示板にあった説明では、ワット・シーチュムの仏堂 Mondop はラムカムヘン大王が建立を命じたとあります。その時の仏堂の壁は一重でしたが、後のリタイ王の時代に約1.5m外側にもう一つ壁が造られ、元の壁との間に仏堂の上部に通じる階段が造られました。その通路(階段)の幅はわずか 45cm です。壁の中の階段は約48m、入口から右回りで仏堂屋上まで続いています。この階段の天井などからワットー・シーチュム碑文を始めとして数々の重要遺産が発見されました。

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TM_Wat Si Chum 02 GSV

Google Street View には階段の入口が映っています。仏像に向かって左側が屋上に繋がる階段の入口、右側にもトンネルがあります。1992年から入口は閉鎖されていますが、学術調査などの目的で許可を取り中に入ることはできるようです。2016年、関係者に一時的に開放された時の様子が YouTube に上げられていました。狭い階段、釈迦の前世 Jakata の肖像画掘られた石版、そして屋上の出口などが映っています。
(現在は鉄格子のドアが付けられていて中に入ることはできません。)



石版は88枚あったと考えられていますが、現存するのは51枚のみで、一部はラムカムヘン国立博物館に展示されています。これらはタイで最も古い絵画と言われています。博物館では、ワット・シーチュムの階段を再現するかのように少し狭い階段に石版が展示され、途中にはプラ・アチャナの顔が見える小窓も造られています。

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ここで疑問が生じます。何故このように狭い階段の天井に石版に描いた絵画を飾ったのでしょう。階段には外の明かりを取り入れる小さな窓がいくつかありますが、当時は照明もないので大変暗かったと想像できます。この階段を上る人には絵画は見えなかったのではないでしょうか。

一つの説は、この石版は修行者や参拝者に見せるためのものではなく、釈迦前世の物語を描いて飾ることで、この仏堂そのものの価値を高めるためだったと考えられています。そう考えると、この階段は屋上に通じる階段と言うより石版絵画を収める場所だったのかもしれません。人が通るには余りにも狭すぎます。

上の写真でわかるように、仏像に向かって右側にも入口があります。このトンネルは何処に通じているのか。。。言い伝えでは、このトンネルは仏堂地下からスコータイの姉妹都市であるシーサッチャナライに通じているとされます。ですが、シーサッチャナライまでは45kmも離れているのであり得ません。地下室の存在を示唆していますが、トンネル奥は封鎖されており発掘調査は行われていないそうです。

アユタヤ王朝時代、第18代国王ナレースアン Naresuan はこの地に軍兵を集め、出兵する兵士や人民の士気を鼓舞するために、仏堂壁に隠された階段から語りかけ、聞こえてくる声が本当に仏のものであると信じさせたという伝承があります。そのため、プラ・アチャナは「喋る大仏」とも呼ばれていたそうです。

ワット・シーチュムには観光名所になっている仏堂の他に本堂もあります。本堂の場所は仏堂を取り囲む堀の外、少し南側です。同じような配置はワット・チェトゥポーンでも見られるので、当時は一般的だったのか何か意味があるのでしょう。

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本堂のある場所には不思議な建物があります。それについては次の記事で紹介します。


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2019/02/19

スコータイ歴史公園(10)ワット・シーチュム(1) Wat Si Chum, Sukhothai

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ワット・シーチュム
Wat Si Chum には、スコータイで最大の仏像 プラ・アチャナ Phra Ajana が安置されています。その大きさは、高さ 15.6m、横幅 11.3m です。スコータイ観光のメインイベントとも言える場所で、細いスリット越しに見える仏像の写真が有名です。プラ・アチャナとはパーリー後で「"immovable" 動かないもの」を意味するそうです。四方を厚い壁で囲まれ、どっしりと座った姿は、まさにその名にふさわしいものだと思います。ワット・シーチュムは、「菩提樹の森の寺院」の意味で、14世紀後半に完成したとされています。

東側の入口から寺院に入ると、目の前に礼拝堂 Vihan 、その奥に仏堂 Mondop が見えます。礼拝堂には三体の仏像が安置されていたと思われる台座があります。上部が尖ったスリットの奥に見える仏象は何とも神秘的で迫力があります。

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仏堂の中に入ると、右手指を地面に垂らして「魔神鎮圧 Subduing Mara」のポーズを取った巨大な仏座像が眼前一杯に広がります。かつては屋根があったはずですが、現在は、仏像の頭部は周りの壁よりも僅かに高く天に向かって伸びているようにも思えます。仏像の前のスペースは狭いので、プラ・アチャナ像全体を一枚の写真に収めるのは至難の技です。私は 24mm の広角レンズを使いましたが、それでも収まりきれない。

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1953 ~ 1956年にかけて大規模な修復工事が行われました。それ以前はかなり荒れ果てていたようで、ネットで探した昔の写真を見る限り、仏堂に覆い被さるほど茂った木々と礼拝堂内に散財する枯れ木が見て取れます。また、礼拝堂内には、現在は撤去されている一体の仏像があったようです。

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仏堂北側(入口正面から見て右側)にも少し小さな礼拝堂があり、プラ・アチャナ像と同じように壁で囲まれた中に仏像が残っています。

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私が行ったときには丁度ネコが昼寝の最中でした。あまりに気持ちよさそうに寝てたのでパチリ。

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ワット・シーチュムの周りは約 150m x 100m の堀で囲まれています。仏堂と礼拝堂の周りはほとんどの木々が伐採されて綺麗に整備されています。仏堂を裏(西側)から撮った写真がこちら。

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ピラミッド型の階段状台座の上に仏堂が建っているような形に見え、裏手には補強壁があるのがわかります。よく見ると、仏堂左上に「窓」のような穴が見えます。実はこの仏堂の壁は二週構造になっていて、壁と壁の間には階段があり仏堂の上に上ることができたのです。(現在は階段そのものが閉鎖されており上ることはできません)

ワット・シーチュムには不思議が色々とあります。仏堂の壁の階段については次記事で紹介することにします。

 【仏堂の二重壁の間にある謎の階段とトンネル】


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2019/02/14

スコータイ歴史公園(9)ワット・ソラサック Wat Sorasak, Sukhothai

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ラムカムヘン国立博物館に展示されているワット・ソラサック碑文

ワット・ソラサックはスコータイ王朝後期第8代王 Saileuthai の時代に建立されました。1955年にこの寺院で冒頭写真の碑文が発見され(ソラサック碑文)、それには当時の様子が記されています。1412年、Nai Inthara Sorasak が私財を投じてこの寺院の元となる僧院を建て、僧侶(Phramaha Thera Dhamma Triloka)が礼拝堂と仏像、そしてその周りに仏塔を建てたとあります。

Nai Inthara Sorasak は碑文の作者とされており、当時の情勢から考えてアユタヤ王朝から派遣された将校であったと考えられています。(当時のスコータイ王国は、第7代王 Luethai の時代からアユタヤ王朝が宗主権を持っていた)

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仏塔はスリランカスタイルで釣鐘型をしており、その周りを25頭の象が取り囲んでいます。シーサッチャナライのワット・チャンローム Wat Chang Lom やカンペーンペット歴史公園のワット・チャンロープ Wat Chang Rop を彷彿とさせますが、規模はかなり小さいです。

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仏塔の東側に位置する礼拝堂には、Phrahao Yontiin、Phra Jongkhrom と呼ばれる仏像が祀られていたそうです。現在は台座だけが残っています。

ワット・ソラサックは城壁の北壁に近い場所にありワット・マハタートなどがある中心部からは直線距離で約700m離れています。ワット・ソラサックの更に北側にはワット・ソンカーオ Wat Son Khao が、南側には池中寺院であるワット・トラパンソー Wat Tra Phang So があります。

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池の縁を周回する道側から見たワット・ソラサック。奥にワット・ソンカーオが見えます。

スコータイ遺跡の高解像度写真は Flickr で公開しています。




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