2nd Generation Apple TV と New Apple TV のスペック上の違いは、プロセッサが A4 から A5 に変わってパワーアップして Full HD 1080p に対応したことだけです。外見上の変更は全くありません。30インチクラスのテレビに接続するならば、 New Apple TV の良さを実感するのは難しいかもしれません。そんなわけで、既に 2nd Generation Apple TV を持っている人にとっては機能アップは限定的です。ただ、この夏に登場予定の Moutain Lion のことを考えると、いち早く手に入れていても良いのではないでしょうか。
ネット上では New iPad の話題におされて、Apple TV の記事は多くありませんが、iPhone, iPad, iPod touch ユーザーならば買わない手は無い・・・と思います。LAN環境であれば、¥8,800 で自宅のテレビと iPhone などが繋がるのは大きいです。もちろん、iTunes からも音楽や動画を大型テレビで再生できます。
Apple TV があれば、自宅のテレビをインターネットテレビにできる! と、思うのはちょっと早いです。一番肝心なブラウザ機能がないんですね。こちょこちょやって Jailbreak という手はありそうですが、今のところ New Apple TV5.0 (4099) で成功したという話題は多くないようです。時間の問題でしょう。
Apple TV を立ち上げるとこんな感じ。

ムービーは、iTunes Store の映画と同じです。
コンピュータは、ホームシェアリングした iTunes のコンテンツ再生用です。
その他は、YouTube,
vimeo, Radio といったところがよく使うアイテムかもしれません。
ここで問題になるのは、Apple TV 単独では日本語入力ができないことです。YouTube や flickr で日本語検索ができません。日本語入力をするためには、iPhone などに入れた "Remote" アプリが必須です。Remote アプリから Apple TV を選択すると Apple TV のコントロールだけでなく、検索に日本語を入力することができます。
YouTube に関してはもうひとつ問題があります。デフォルトのトップページがアメリカ仕様になっているので、日本語コンテンツは出てきません。色々とネット上を探してみましたが、トップページを日本に設定することは今のところ出来なさそうです。思えば、iPhone が販売されて初期の頃は、iPhone の YouTube でも同じように日本ページがデフォルトで表示されない状況だったので、そのうち改善されるのを期待しましょう。
Apple TV に付属の赤外線リモコンはシンプルなものなので、たとえ日本語入力ができるようになったとしても、矢印キーだけで操作するのは現実的ではありません。iPhone などとの連携で使うのが一般的な方法だと思います。
iPhone 4S からは、Apple TV を介して iPhone 4S 画面のミラーリングも可能になりました。夏に予定されている Mountain Lion では、AirPlay 機能が更に拡張されて Mac 本体の画面を Apple TV 経由で大型テレビにミラーリング可能になるとのことです。わずか ¥8,800 のセットトップボックスが、テレビと Mac, iPhone, iPad などを繋ぐ重要な役割を担うわけで、非常に戦略的な製品なのではないかと思っています。
ところで、New Apple TV は Full HD 対応のために基本性能が大幅に向上しています。それは単にプロセッサが A5 になっただけでなく、搭載RAMは前代より 2倍に増えて 512MB となり、無線LANには New iPad でも使われている Broadcom BCM4330 が搭載されています。このチップ、コンボ・チップと呼ばれて IEEE 802.11a/b/g/n だけでなく Bluetooth 4.0 と FM にも対応しています。無線通信関連は New iPad と同じ性能を持っているわけで、将来的に Bluetooth key boad なども接続可能になるかもしれません。ただ、iPhone や iPad をリモコンのように使ってコントロールする方法がさらに一般的になれば、わずか ¥8,800 の小さな箱に日本語入力変換機能を入れ込む必要はないようにも思えますが。