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2019/03/23

【バンコクの寺院】ワット・ソマナス Wat Somanas Rajavaravihara, Bangkok

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ラーマ IV世(King Mongkut 1851 - 1868)の時代に建立された寺院です。ラーマ IV世は古都アユタヤに習い、王宮を取り囲む城壁・壕の外側に寺院を建てることを決めました。そうしてできたのがワット・ソマナスと前記事に書いたワット・マクートです。両寺院ともラッタナコーシン島の北東に位置し、約600m離れて建てられました。ワット・ソマナスは 1853年に、ワット・マクートは 1968年に建立されて、どちらも第二級王宮寺院です。

寺院名は、ラーマ IV世が即位して直ぐに他界した王妃 Somdej Phranangchao Sommanat Wattanawadi に捧げられたことから、この名前が付けられました。タイ語の発音は難しいです。英語表記では Wat Sommanat Wihan あるいは Wat Sommanat Ratchawora Wihan と書かれたものもあります。(Wihan は Vihan とも表記)

同時期に建立されたこともあり、ワット・ソマナスとワット・マクートは全体的によく似ています。境内の広さはほぼ同じで、いずれもクルン・カセーム通りに面しており礼拝堂は北東向き、その後ろに回廊で囲まれた中に大きな仏塔、そして一番奥に本堂が配置されています。違いは、ワット・マクートでは本堂の向きが礼拝堂と仏塔の並びとは90度回転した東南方面なのに対して、ワット・ソマナスでは礼拝堂・仏塔と同じ向きで本堂入り口は北東を向いています。また、仏塔の色も異なります。ワット・ソマナスの仏塔は黄金色です。

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この二つの寺院だけに見られる特徴があります。通常、聖域とされるのは結界石で囲まれた本堂だけなのですが、この寺院では二重に結界石が置かれていて、外側の結界石で囲まれた中にある礼拝堂でも神聖な儀式を行うことができるのです。

私が訪問した時は本堂の中を見ることはできませんでしたが、礼拝堂から回廊に入り仏塔を間近で見ることができました。こちらの本堂には、かつてラーマ IV世が修行を積んだワット・ラチャチワット Wat Rachathiwat に安置されていた仏像 Phra Budha Siri が 1856年に移設され、ご本尊として祀られています。

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タイの寺院は遺跡を含めて数多く見てきました。色々な構造を持つ寺院がありますが、私の中では、礼拝堂・仏塔とそれを取り囲む回廊・本堂が直線的にゆったりと配置され、ごちゃごちゃと数多くの仏塔や礼拝堂、サーラなどが無い方がシンプルで美しいと思っています。そういった意味では、このよく似た二つの寺院は最も好きな寺院で、何度も訪れたいと思うお薦めの寺院なのです。主要アトラクションから離れているので観光客も少なく、ゆっくりと落ち着いて見て回ることができます。

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2019/03/19

【バンコクの寺院】ワット・マクート Wat Makut Kasattriyaram, Bangkok

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ワット・マクート Wat Makut Kasattriyaram Ratchaworawiharn はラーマ IV世(King Mongkut, 1851 - 1868)にちなんで名付けられ 1868年に建立されました。第二級王室寺院です。

寺院は巨大な仏立像で有名なワット・インタラビハーンの東側約500mの所にあります。ラッタナコーシン島の外側の堀 Khlong Phadung Krung Kasem のほとり、クルンカセーム通り沿いです。この辺りは主要な観光スポットから離れているので寺院内でも観光客らしい人を見かけることはありませんでした。

クルンカセーム通り沿いの正面から見ると広い駐車場の奥に冒頭写真の大きな礼拝堂が眼に入ります。その奥には白い仏塔も見ることができます。境内は綺麗に整備されていてゆっくり回ることができます。礼拝堂の中には装飾された大きな柱がいくつもあり、その奥に仏像が祀られていました。礼拝堂内の壁の絵も見応えがあります。

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【注意】礼拝堂や本堂の周りには僧侶の住居があり、そこには大変優秀な番犬が居ます。下手に近づくと襲われそうになるので注意が必要です。

この寺院の特徴は、結界石が二重に造られていることなのだそうです。通常は本堂の周りに8個の結界石 Khantha Sema が置かれているだけですが、この寺院では寺院全体を囲む壁にも Maha Sema (Great Sema) が置かれています。二組の結界石がある寺院はバンコクではこの寺院と、隣にある双子のような寺院ワット・ソンマス Wat Somanas Rajawara Vihan だけだそうです。

礼拝堂と仏塔の裏手に東向きの本堂があります。残念ながら本堂は施錠されていてご本尊を拝むことはできませんでした。本堂屋根は白系で美しく装飾されており、ドアは王室ゆかりの像をあしらった黄金色の豪華なものです。

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現在は大変美しいワット・マクートですが、2000年代初頭には朽ち果てかけていたそうです。王室ゆかりの寺院であることから、約6年かけて修復され、前国王の80歳の誕生日祝いを記念して 2007年に完成しました。




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2019/03/06

黄金仏の歴史 - 黄金仏は何処から来たのか - ワット・トライミット Wat Traimit, Bangkok

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バンコク観光で外せないスポットとなっているのが、フアランポン駅からもほど近いチャイナタウン外れのワット・トライミットです。そこには、ギネスブックにも登録されている世界最大の黄金仏があります(冒頭写真)。

1800年頃に現王朝のラーマ I 世がタイ全土の荒廃した寺からバンコクに仏像を集めました。その中に黄金仏もあったわけですが、当時は漆喰で覆われていて価値が低い仏像としてチャオプラヤ川添いのワット・チョチカラーム Wat Chotikaram に運ばれました。そこに安置されること約140年余り、1935年から 1940年頃に現在のワット・トライミットに移されました。その後、黄金仏が発見されるまでの経緯は別記事に書いたとおりです。(ワットの名称や時期などは資料により違いがあります)


では、その前は何処にあったのか。
大きな黄金の仏像ですから、相当の権力者でないと造ることはできないはずです。仏像の顔や全体の形から、スコータイ王朝時代に作られたのではないかと考えられています。もちろん、スコータイ仏は大変ポピュラーな仏像で、アユタヤ王朝になってからも好んで作られたと言われていますので、仏像の形だけから製造時期を特定することはできません。けれども、アユタヤ王朝時代の資料を調べても、大きな黄金仏が祀られていた寺院についての記述はどこにもないことから、それ以前に造られて漆喰仏像として隠されていたのではないかと言う説が有力です。

スコータイ王国がアユタヤ王国の属国になったのが 1368年。アユタヤ王国に完全に統合されたのが 1350年です。バンコクに移されたのが1800年頃、そしてワット・トライミットで漆喰が壊れて中から黄金仏が現れたのが 1955年なので、実に 550年以上も黄金仏は漆喰の中で眠っていたことになります。まさにミステリーとしか言いようがありません。

誰がいつ頃造ったのか、そして何処に祀られていたのか
スコータイ王朝時代に最も栄えたのはラムカムヘン大王の時代です。大きな黄金仏を造るには高度な技術が必要で、職人を召し抱え、十分量の黄金を集められる権力者となるとラムカムヘン大王以外にいません。また、ラムカムヘン大王碑文には『スコータイの町の中心には黄金仏がある』と記載されています。大きさなどの記述から、その黄金仏こそワット・トライミットにある黄金仏そのものだろうと考えられています。

スコータイから北に約80kmほど行った Phrae州の Wang Chin地区には金鉱がありました。スコータイ時代、そこで採掘された金を使って金細工の技術が発達したと考えられています。大きな黄金仏を造るにはいくつもの精密な工程が必要で、相当高度な技術を持っていたのでしょう。

何処に祀られていたのかというと、町に中心にあるワット・マハタートであるのは間違いないでしょう。そこには本堂の他に礼拝堂 Vihan が10箇所もあるので、その中のどれかに安置されていたのでしょう。ちなみに、主たる礼拝堂に祀られていた仏像は現在バンコクの第一級王室寺院であるワット・スタットに移されています。1800年当時、もしも漆喰の中で眠る黄金仏がワット・マハタートにあったなら、現在はバンコクの第一級王室寺院のどこかに祀られていたのかもしれません。

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黄金仏に関する記述を調べてみると、第6代リタイ王の時代に書かれた碑文に黄金仏の記載があります。つまり、その時代まではワット・マハタートに黄金仏があったわけです。ですが、その後、アユタヤ王朝時代を含めて黄金仏に関する記述は全くありません。リタイ王の時代以降に黄金仏は漆喰で覆われ、そしてワット・マハタートから別の場所に移されたと考えるのが妥当です。ちょうどアユタヤ王朝がスコータイに入ってきた時期なので、略奪を恐れて隠したのではないでしょうか。(ワット・トライミットのタイ語 WEBの資料によると、1403年にアユタヤに移されたと記載があります)

タイでは高価な仏像などを漆喰仏の中に隠すのはよく行われていたことのようです。有名なエメラルド仏も漆喰仏の中に隠されてカンペーンペットのワット・プラケオからチェンライに密かに運び込まれましたと言われています。

アユタヤに移された黄金仏がどこに安置さていたのか、場所の記述は全くありません。もしもアユタヤのワット・マハタートやワット・プラシーサンペットなどの重要寺院に祀られていたならば、1767年のビルマ軍によるアユタヤ陥落の際に徹底的に破壊されて黄金仏は露わになっていたでしょう。おそらく、アユタヤの無名寺院に密かに安置されていたためビルマ軍による略奪から逃れられたのだと思います。また、無名寺院に祀られていた漆喰仏像だからこそ、ラーマ I 世がタイ全土から仏像を集めた際、価値が低いと判断されたのでしょう。

700年以上も前、スコータイ王朝時代にワット・マハタートで黄金仏が祀られていたのを想像するとワクワクします。ワット・トライミットの黄金仏は長い時を経て、今、私たちの前に美しい姿を見せてくれているのです。

タイには沢山の寺院があり、その何倍もの数の仏像が祀られています。その中で本物の黄金でできた仏像はほとんどありません。ワット・トライミットでの黄金仏発見を受けて、他の寺院でも調査が行われたのは言うまでもありません。トンブリのワット・ホンラッタナラーム Wat Hong Rattanaram やワット・マハンパラーム Wat Mahanparam にも漆喰の中から発見された黄金仏が祀られています。

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Wat Hong Rattanaram


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2019/03/04

【バンコクの寺院】ワット・パイゴーンチョターナラーム Wat Phai Ngoen Chotana Ram, Bangkok

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しばらくスコータイ歴史公園の記事ばかり書いていましたが、久しぶりにバンコクの寺院です。この寺院、以前から是非とも行ってみたいと思っていた寺院なのです。観光客がほとんど居ないエリアにあり、当然ながらガイドブックにも記載は全くありません。

何故行きたいと思っていたかというと、1940年頃の『選択』によっては、この寺院が超有名寺院になっていたかもしれないからです。この寺院のことは少しだけ以前の記事に書いています。


現在のアジアティック付近にあった廃寺から二体の仏像が運び出されて、一つは現在のワット・トライミットに、そしてもう一体の行き先がここワット・パイゴーンチョターナラームだったのです。当時、新しくなったこの寺院にスコータイ仏像の特徴を持つブロンズ製の仏像が運ばれました。そして、ワット・トライミット(当時はワット・サムチーンと呼ばれる無名寺院)には漆喰でできた大きな仏像が運ばれたのです。後に、その漆喰仏像から黄金の仏像が見つかった話はあまりにも有名です。つまり、もしもその時にワット・パイゴーンチョターナラームが漆喰仏像を選択していたら、この寺院が黄金仏寺院になっていたかもしれないのです。

元々の寺院はワット・パイローム Wat Phai Lom と呼ばれており、現王朝初期に建立されたと言われています。1939年、タイ国政府がクローントーイの港湾整備を進めるにあたり、そこにあったワット・ンゴーン Wat Ngoen をワット・パイロームに移すことになりました。さらに、1940年、チャオプラヤ川添いにあった廃寺ワット・プラヤークライ Wat Phraya Krai (元の名はワット・チョチカラーム Wat Chotikaram)の仏像をこの地に移したことで三つの寺院が一つにまとまり、それぞれの寺院名の一部を取ってワット・パイゴーンチョターナラームに名称変更されました。

冒頭写真の右手に見えるのが本堂ですが、訪問時は中に入ることはできませんでした。左側がオープンな礼拝堂で、そこにワット・プラヤークライから移されたと思われる仏像が安置されていました。なかなか立派です。

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元々はビエンチャンにあったものだと考えられています。ラーマ I 世がタイ全土の荒廃した寺から仏像をバンコクに集めた際、価値の高いものはワット・ポーに、比較的価値が低いと判定されたものがワット・チョチカラームなどの寺院に移されたと言われています。この仏像やワット・トライミットに移された漆喰仏像(後の黄金仏)は価値が低いと判断されたのです。

仏像を正面から見ると次のようになり、スコータイ王朝時代の仏像の特徴を良く表しています。

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立派な本堂の中がどうなっているのか見たかったのですが、入口が開いて無くて残念でした。外観だけでも・・・

正面から撮った写真と裏手に回って撮った写真です。本堂裏に回ると鐘楼がありました。また、一番奥には火葬場も併設されていました。

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道沿いにもう一つ綺麗な仏像が祀られていました。正面入口には扉がないので境内入り口からでも仏像を拝むことができます。スコータイ仏の様にも見えますが、顔の作りが少しふっくらしていてさほど古い仏像ではなさそうです。

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最寄り駅は BTS Surasak です。駅から直線距離で約2kmほど南に下ったところにあります。近くには観光名所は全く無いし、寺院の名前 Wat Phai Ngoen Chotana Ram も発音が難しくてタクシー運転手には伝わりません。地図を見せても知らないと言う運転手がほとんど。私は泊まってた Surasak のホテルのボーイさんに手助けしてもらって、この寺院の場所を知ってる運転手を探してもらいました。観光客が全く入り込まないエリアのバンコクは何となく新鮮でした。



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2019/01/07

サワンカローク Sawankhalok の第三級王室寺院 ワット・サワンアローム Wat Sawang Arom Worawihan

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サワンカロークの鉄道駅から約500m離れたヨム川沿いにワット・サワンアロームはあります。ラーマ1世の時代に建立されたと言われており、このエリアでは最も古くかつ最も重要な寺院です。

サワンカロークの町を現在の地に移すにあたり、当時の統治者 Phraya Wichitphakdee は寺院建立の為の土地と宿泊施設を寄贈しました。当初は Wat Chuan とも呼ばれており、またチャオプラヤの寺院と呼ぶ人もいるそうです。

境内には礼拝堂 Viharn 、旧本堂 Ubosot と仏塔、涅槃像、奥の方に真新しい本堂 Ubosot があります。現在の二つの礼拝堂はいずれも 1787年に建てられたとされていて、トップ写真の奥側の僅かに大きい方が本堂 Ubosot です。

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涅槃像を正面から見ると奥の方に真新しい建物が見えます。周囲は結界石 Sima で囲まれていていることから、現在の Ubosot はその建物ではないかと思われます。大きさは旧本堂に比べるとかなり小さめです。

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(旧)本堂には大きな仏像が安置されています。ご本尊は Buddha Ruangrith と呼ばれ、横幅 2.3m、高さは 2.8m もあり、かつてはシーサッチャナライ Si Satchanalai のワット・プラシーラッタナマハタート Wat Phra Sri Rattana Mahathat に祀られていたものだそうです。現在のシーサッチャナライはサワンカロークの旧市街にあたるので、新市街を作るにあたり重要な仏像を持ち込んだのでしょう。そのことからもこの寺院の重要性がわかります。

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本堂から仏塔を挟んで反対側に木造の古そうな建物もありました。おそらく、かつては僧院か僧侶の宿泊施設だったのかもしれません。階段を上がって中を見てみましたが、現在は半分物置のような感じで使われていました。

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観光客が来るような場所ではないので、カメラをさげた日本人は珍しかったのかもしれません。階段の所で数名のお年寄りが話していましたが、手招きして誘い入れてくれました。

全体的にこじんまりした綺麗な寺院でした。

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※ この寺院については英語の資料も見つからなかったので、タイ語の資料を Google翻訳して記事を書きました。誤翻訳による記載内容の間違いがあるかもしれません。




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